ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

3年目の田植え

今年も梅雨を迎え、ゆうは手話で「つゆ」を覚えたので、毎日「つゆだねえ」と言っています。

毎年出かけている田植え。
今回は神奈川の大磯農園の田植えに初めて参加してきました。

【2018年】お子さんと!ご家族で!田植え体験参加、今年も受付中です! | 大磯農園

ゆうは水着を着込み、私は半袖短パンで田んぼに入ります。

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毎年同じ事をしていると、ゆうの変化に気がつきます。
去年は、しぶしぶ田んぼに入ったけれど、うまくバランスがとれなくて、ずっと私にしがみついたまま。
苗をつまんで、田んぼに植えつける作業はほとんどできませんでした。
10分もすれば飽きてしまい、もうおしまい、と手話で主張し、丘にあがって遊んでいました。

今年も、田植えと聞いてもノリはよくもなく、すぐにおしまいと言われるかな、と思っていました。
ところが、ゆうは思いのほかがんばった。

田んぼに入ってすぐの作業は、苗をたくさんまとめて束ねる「ばくだん」づくりでしたが、苗を抜き取っては泥を洗い、私が受け取って苗を束ねていく。
文字通りの共同作業、役割分担ができていました。

その後は、いよいよ田植え。
去年だったら、もうおしまいと主張したでしょうが、今年は「まあしかたない」という雰囲気で田んぼの中に入っていきます。

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足や手が泥で汚れるのも嫌がっていた去年に比べると、今年は嘘のように汚れを気にせず、田植え作業を続けていました。
これも変化です。

30分ほどでしょうか。田植え作業を続けてさすがに一服。
畝から田んぼを見渡すと、そこには見たこともないほどのおたまじゃくしの大群が。

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ゆうは、おたまじゃくしは見たことがあるものの、ここまで多いとやはり気になる様子。
手ですくって、手のひらにおたまじゃくしをのせ、のぞき込みながら観察しています。
どちらかと言えば、動物とのふれあいが得意ではないように見えるゆうが、自ら積極的に生き物を手に取る姿が新鮮でした。

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と思い休憩すると、ゆうはもうこれでおしまい、とのこと。
お昼になっていたし、人も多いので田植えを続けなくても大丈夫だろうということで、今年はこれで終了。

新しい体験に連れて行くことで、本人の興味のありかを探ることもできますが、毎年同じことを繰り返すことで、これまでとの変化を実感することができるのもおもしろい、と感じた今年の田植えでした。

ところで、最近のゆうは、自ら考えたおふざけをたくさん繰り出してきます。
例えばこれ。

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大きな手ぬぐいを顔にまき、帽子をかぶってストライダーに。
まるでオリジナルのサンバイザーのようですが、手ぬぐいが萱素材なのでよく透けて周りが見えるようで、ストライダーを乗りこなしていました。
乗り気でなかったストライダーも、長い時間乗れるようになってきて、日々の変化が楽しく感じられます。
やらされている感が拭えなかったゆうも、上手に乗りこなせるようになると自信がついたのか、拒むことがなくなりました。
やはり、本人の気持ち、気づきが大切なようです。


続いて、勉強の一コマから。

〇「だちょう」「おっとせい」「からす」「ペンギン」
この中でひとつだけなかまはずれはなぁに?
答えは「おっとせい」
鳥でないから。

なんですが、ゆうと妻のやりとり。

妻「なかまはずれはなぁに?」
ゆう「からす」
妻「・・・なんで?」
ゆう「からすはとぶけど、ほかはとべない」
妻「・・・オッケー!」
確かに、だちょうもペンギンも飛びませんね。
なるほど、そういった整理もできます。
見所が違って、時々目からウロコが落ちています。