ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年の終わりに

去年の今頃は、ひたすら風邪をひかないように、とピリピリしながら、過ごしていました。年明け早々、人工内耳の手術が予定されていて、体調を崩してしまうと、手術自体が大きく延期される可能性がありました。一般的に、人工内耳をするなら小さいうちがいい…

音を楽しむ

一般的に、人工内耳をつけて実際に聞こえる音は、単調なものだと言われます。機械的に合成した音であるので、聴者が聞く音とはどうしても違いが出ます。例えば、音楽が流れていても、リズムや音階が聞き取りにくく、聴者のように音を楽しむことは難しい、と…

マイブーム

この週末は、2日続けて、ろうの集まりに参加してきました。ゆうの振る舞いを遠くから眺めているのですが、人見知りがちな私の子どもとは思えないほどの社交性、積極性にいつも驚かされています。同年代の子はもちろん、年上の友達の輪の中にも臆することなく…

我が家の物語

今日は、妻いわく、妻が今年最も感銘を受けた詩集を紹介します。 『点滴ポール ~生き抜くという旗印』 筆者の岩崎航さんは、我々と同世代の37歳。3歳で進行性の筋ジストロフィーを発症。 現在は常に人工呼吸器を使い、 胃ろうから経管栄養で食事し、 生活の…

知ってる「つもり」に気づく

前回も書いたように、家族で情報集めにいそしむ日々ですが、いざ集めてみると、こんな施設があったのか、そんなイベントがあるんだ、と気づかされることばかりです。こうした分野のことをまったく知らないわけでもないつもりでしたが、まさに「つもり」なだ…

まだまだ続きそう

先月10月25日、「進路を思いめぐらす」というタイトルでブログを書きました。 その時は、ろう学校の幼稚部の年少組に入ろう、入れるだろう、と考えつつ、どんな選択肢があるのか情報を集めている状況でした。 それからおよそひと月。今は、懸命に情報探しを…

きゅっとする

先週、妻に、小さい頃、胸がきゅっとした事は何だ?と突然尋ねられました。うーん、ミニカーとか鉄道かなと答えたんですが、「きゅっとした事を思い出して、もう一度やろう」と言い出しました。 ゆうは、家にあるたくさんの絵本(ほとんどが頂き物、ありがた…

進路を思いめぐらす

今日は、動画のご紹介から。 vimeo.com タイトルを訳せば、「チャージだけど、だからどうしたって?!」ってなとこでしょうか。 海外に暮らすチャージの子どもたちが、豊かな自然の中で元気に動き回り、将来の夢を語ったり、自分の今の気持ちを自らの言葉で…

うなぎとキャンプ

寒さが厳しくなる前に、今年2回目のキャンプに出かけてきました。 これまでより活発に動き回ってくれるかな、と思っていましたが、季節の変わり目、喘息気味でお疲れの様子。キャンプの定番で、夕飯はバーベキューにしましたが、ゆうにとっては食べられるも…

今日、パパと呼ばれる

今日、ゆうがはじめて、声を出してパパと言いました。私がトイレにこもっていた時、手話で「パパ」とサインしながら私を探し、「パパ」と声に出して言ったそうです。残念ながら私はよく聞こえませんでしたが、妻と私の両親がその言葉を聞いていました。それ…

すねる ごまかす はぐらかす

最近、ゆうにも発達の証ともいえる、喜怒哀楽以外の感情が出てきました。 大仏こわい~ ゆうの食べっぷりは、見ているこちらも気持ちが良いくらいなのですが、毎度口に詰め込みがちで、えずくこともしばしば。口へ運ぼうとする手を押さえ、ゆっくり食べるよ…

お世話と犬乗り

ゆうが楽しみにしている保育所のおやつ。最近ほとんど食べずに帰ってくることを不思議に思った妻が、理由を保育士さんに尋ねたそうです。すると「小さい子のお世話に忙しくて食べる暇がないんですよ(笑)」と意外な答えが返ってきました。ゆうより小さい子…

今 伝える

最近ゆうが気に入っているトミカのミニカー。パトカー、消防車、救急車は、幼児向けの手話の本に手話が載っているものの、クレーン車、ミキサー車などは載っていません。ゆうは自分が知らないものの手話を聞いてくるので、答えられないこちらは困ったことに…

「生きる力」

ゆうが1歳2か月からお世話になっている保育所では、お迎えに行くと保育士さん達が今日の様子を伝えてくださいます。同世代の集団の中、ゆうがさまざまな刺激を受けていることを感じるエピソードは、我が家の楽しみにもなっています。 今週は、ゆうがみんなで…

心を寄せる  

ゆうは写真を見るのが好きです。身のまわりの人や物のアルバムを作ったり、写真日記をつけたりしているからかもしれません。0歳や1歳ぐらいの写真を見ると、自分を指さしているので、どうやら自分だとわかっているようです。ここ数カ月で、そういう仕草をす…

夏の終わり

うだるような暑さもいつの間にか過ぎ去り、日差しは刺すように照りつけても、影に入れば、肌にまとわりつかない空気に触れ、ずいぶん暑さをしのぎやすくなりました。 7月下旬からろう学校はお休み。保育や療育施設は、夏休みもなく、いつものように通うこと…

2歳児のプライド

ゆうがひらがなを覚えたことに気をよくした妻は、今度は壁にカタカナ表を貼りました。個人的にはやりすぎだろうと思っていましたが、本人はそう難なく覚えたようで、表の前までハイハイで出かけていっては、じーっと表をにらみ、手を動かしつつ、声も少し出…

2歳児に学ぶ断り方

2歳を過ぎると何でも自分でやりたがるようになり、この時期をイヤイヤ期とも呼ぶんだそうです。知り合いのお子さんは、「自分で!」が口癖だったと聞きました。 最近ゆうにもそんな心の成長が見られるようになり、これ以上手伝ってほしくない時には、きちん…

「ロールモデル」と出会う

今週、妻は聾学校や病院で開かれた研修会やイベントに毎日出かけていました。熱心にメモをとり、質問までしてきたようで、私もそこでのやりとりを聞きました。妻は、ゆうが産まれてから、次々と明らかになる障害に落ち込んでいた時期もありました。けれど、…

言葉の土台

暑いですね。今年も夏がやってきました。ゆうにとっては、3回目の夏。今年も出かけた夏祭り。これまでとの大きな違いは、声をたくさん出したり、太鼓や音楽のリズムに合わせて、拍手をしたり、体を動かすようになったことでしょうか。最初は、じーーっと、太…

音の世界の入口にて

ついに、ゆうは呼びかけると振り返るようになりました。ただ、私の滑舌のはっきりしない呼びかけにはなかなか応えてくれず、妻のよく通る明るい声には、すばやく機敏に反応してくれます。 私たちは、人工内耳を付けた後、ゆうに繰り返し声をかけてきました。…

ひらがなを覚える 指文字で表す

我が家のリビングに、ひらがな表と50音に対応した指文字表を貼ったのは、ゆうが2歳の頃でした。ゆうが見やすいように壁の一番下、床に座るとちょうど目の高さの位置です。覚えるのはまだまだ先であっても、ひらがなを指文字で表せることに気づいてほしい、そ…

音への気づき

ここのところ、音に気づいているのかな、と思える出来事が続きました。 我が家のマンションはオートロックなのですが、インターホンを押すとチャイムが鳴ります。その音が聞こえると、ゆうの動きや目線が一度止まります。あれ~なんか聴こえたような、とでも…

サインネーム

手話であらわすニックネームをサインネームと言います。 聞こえる人なら〇〇ちゃんと呼びますが、聞こえない人が毎回あだ名を指文字であらわすのは大変です。 そこで身体的な特徴やクセをとらえたオリジナルの手話がサインネームです。 幼少期についたサイン…

いろんな遊びに挑戦中

こどもは、なんでも遊びに変えてしまう達人とも言われますが、最近のゆうも、家の中、外を問わず、時に激しく興奮?しながら、遊んでいます。 例えば、車の中。 ひとり後ろ座席に座るゆうは、退屈な様子。なので、後ろから声を出し、あるいは怒りながら、ち…

数字を覚える 数を数える

ゆうと一緒にお風呂に入る時、湯船から外に出る前に、5つ数えることにしています。人差し指を1本立てて、「1」、ピースして「2」と続けて、「5」まで。ちなみに、「5」は握りこぶしを縦にして、親指を上に立てるのが手話。手を広げてタッチしてから外…

2歳3カ月 ゆうの世界

2歳3カ月、ゆうが表現する手話の語彙は300を越えました。思えば1歳半の頃、これから夕飯の時間かなという時に「ご飯?」と尋ねてきたのが最初の言葉だったでしょうか。 これらの言葉は、妻が手話を1から覚え、毎日の生活の中でゆうに教えたものです。妻はそ…

言葉と読書、思考の力を考える

「人工内耳と療育」をテーマにしたフォーラムに参加してきました。ゆうが人工内耳埋め込み手術を受けた東京医科大学聴覚・人工内耳センターが、毎年テーマを決めて開催しているものだそうで、私は初めての参加でした。 東京医科大学病院 聴覚・人工内耳セン…

ごぶさたしました

1か月、間が空いてしまいました。ブログを名乗りながら、日記どころか、週刊、はたまた月刊となりかねないところですが、あまり気負わず、ぼちぼち書き留めていきたいと思います。 さて、このひと月の間、なによりの変化は、手話の語彙数が相変わらず増え続…

暖かくなってきました

どうも寒い日が続いた4月でしたが、ようやく暖かくなってきました。それも春を通り越して、夏のような暑さも。ゆうは、せきはまだ残っているものの、機嫌良く、快調なので、保育や療育、ろう学校、お出かけと、毎日出歩いています。車に乗せて走っていると…