ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

知ってる「つもり」に気づく

前回も書いたように、家族で情報集めにいそしむ日々ですが、いざ集めてみると、こんな施設があったのか、そんなイベントがあるんだ、と気づかされることばかりです。
こうした分野のことをまったく知らないわけでもないつもりでしたが、まさに「つもり」なだけで、まだまだ初めて出会い、気づかされることが多いです。

先日、聴覚障害者のための情報提供施設に行ってきました。
こんなところです。

www.ac.auone-net.jp


地域では手話を学び合うサークル活動も盛んなようで、手話通訳や奉仕員、要約筆記の講座を開き、そうした方々を派遣するなど、聴覚障害者のために情報保障する多様な手段を用意し、その担い手を増やすための活動などを進めています。

改めて気づくのは、やはり、自分たちから動かないと、情報が入ってこないなあ、ということ。

日々通っている病院や療育、保育などで、専門職の方々やそこで出会う親同士で、地域の話を交わしたりするものの、やはり出会う範囲は限られたものになります。
実際に、足を運び言葉をやりとりすることで、気づくことが多いと感じます。
例えば、ここにはこんな人が集まっていて、そんなことをしているのか、じゃあこういう問題はここにいる方々に尋ねてみたらいいかな、というように。
なんというか、自分なりに情報の見取り図みたいなものを獲得し、それを広げていくことができる、そんな感覚です。
ただ、これには時間も必要だし、手間暇もかかります。
簡単なことではないので、そうした見取り図を持つ専門家に、早い段階で出会うことができれば、どんなに助かることかと痛感しています。

振り返ってみると、私たちがこれまで出会ってきた専門家は、本当にたくさんいます。
ざーっとあげてみても、

救急搬送された病院の医師
心臓手術をした病院の医師(心臓血管外科、小児科)
普段通院している複数の病院の医師(小児科、遺伝、小児外科、耳鼻科、眼科、歯科)
療育施設の医師や理学療法士言語聴覚士ケースワーカー臨床心理士
病院にいるピアサポーター
(※なじみがないかもしれませんが、こんな方々です。気持ちがしんどい時、話を聞いていただきました。)

www.nanbyonet.or.jp

ろう学校の先生方
保育所の保育士
個別に指導してもらっている言語聴覚士
役所の保健師
地域で長年障害の持つ子どもの集まる場を運営してこられた方々・・・

思いつくままにあげてみても、本当にたくさんの方々に支えていただきましたし、今も支えてもらっています。
その時々で、私たちが直面していた問題や課題は違ったわけですが、こちらの話や希望、困っていることを聞いていただき、ありがたかった。
そして、時には解決に向けた選択肢を見つけることにつながりました。

さすがに、お医者さんと話す時は、ゆうの生命や予後に直結していることばかりなので、緊張が高まって思うように話ができず、困ることもしばしば。
場数を踏んできたので、だいぶ雰囲気には慣れてきましたが、事前に聞きたいことなどを用意して行ったとしても、苦労することもまだまだあります。


これまでの出会いを通じて、こういうことはどこに聞けばわかるだろう、という土地勘をつかんできたと思います。
そして、これからのゆうのことを考えると、もっともっとたくさんの方々の力をお借りしなければならないと感じます。

人見知りがちな父としては、想像するだけで途方もないことのように思えますが、妻やゆうの力も借りて、よりよい環境をつくっていきたい、そしてできれば、これまでたくさん助けていただいた恩を返したい、そんな思いでいます。

そんなわけで、イッツ・ア・スモールワールドより。

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自分が子どもの時、大好きだったアトラクションに、自分の子どもと一緒に来るのは、なんか不思議な感覚でした。