新たな病院での暮らし
転院先の病院では、小児科と心臓血管外科の医師を中心に診てもらいました。
ゆうにとって、なによりの心配材料は、心臓の状態。
引用してきた下の図のように、ゆうの心臓は、心臓から動脈で全身に送られるはずの血液の多くが、開いてしまっている動脈管によって、肺に送られていました。
したがって、全身への血のめぐりが悪くなる一方、肺は必要以上に血が送られてくるため、血にひたってしまいます。そうなると肺高血圧症を招き、肺の機能が損なわれます。
そこで、ゆうが生きるために、まずはこの管をしばる手術が必要になります。
その方法は、簡単にいえば、ひもで管をしばるだけ。
ただ、医師の話を聞くと、想像を超える世界。
しばりすぎたら管が破けて大出血してしまうし、ゆるすぎると管を流れる血の量が多くなり、血液の流れが手術前と変わらなくなってしまう。
その間で、絶妙に縛り具合を調整するんだそう。とてもまねできそうもないような手技。
手術は、胸の真ん中か、腋の下あたりのどちらかを開けるそう。
ゆうの場合は、手術による体の負担も考慮して、前者を選ぶことに。
この頃は、心臓の状態もわりと安定していました。
写真は、転院したばかりで久しぶりに仰向けのゆう。
一時期むくみで目が開かなかったけれど、だいぶとれてきた様子。
シールの交換で泣き叫ぶ(と言っても声はほとんど出ない)ゆう。
鼻に付けられていた酸素のチューブを外し、ちょっとすまし顔のゆう。
口から入っている管は、ミルクを入れるためのもの。
小さな体で、まだまだ小さな心臓の手術をするリスクは少なくなく、できるだけ時間が経ってから手術を、との判断で、タイミングを探る日が続きました。
そして、生まれて2週間を超えたころ、心不全の兆候が表れてきたことから、手術を行うことになりました。
私も、病院に駆けつけて、朝、集中治療室から手術室へ向かうゆうを見送ります。
いまだ、メスのひとつも入られたことのない私より先に、子どもが心臓手術を受けるとは。。。
なかなか信じがたい状況でした。