ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

ごぶさたしました。

3月に「3年生になります」という記事を書いてから、実に半年ぶりの更新となってしまいました。
仕事に追われてバタバタするなか、ブログを書けませんでした。
続けるのはなかなか難しいものですね。すみません。

 

さて、3年生の1学期、そして長い夏休みも終わり、2学期を迎えています。
季節も春から夏、そして秋へとすっかり変わりました。

乳幼児の頃のように、短い時間で大きな変化が起こることもなく、3年生ともなれば基本的なキャラクターも形成され、相変わらずマイペースに過ごしています。
小学生男子らしくおどけてみせることも多く、なんだかホッとすることも増えた同時にあんまりおどけるのでついていけなくなることも増えました。
人間わがままでいけません。

 

今週の国語の授業で、「山小屋で3日間過ごすなら」というテーマでクラスで話し合うことがあったそうです。
どんな持ち物を持って行くか、何をするか、クラスメートと相談したらしく、
「○○ちゃんが釣り竿を持って行くと言ったから、ぼくはバケツにすると答えた」
ふむふむ、川で魚を捕るんですね。
そして「絶対忘れたらだめなのは、マスク!!!みんなで話し合う時にも必要だから」と。
しっかり身についています。
延々と続く感染症が広がる世の中が、子どもたちにもたらした影響をしみじみ感じました。

この半年のゆうの変化では、ぐんと近視が進んだことがあります。
学校の授業、家でゲーム、マンガ、パソコンと目を使う機会はずっと増えました。
それに伴って、視力低下も止まらず、お医者さんと相談して眼鏡を新調したのでした。

ゆうが選んだ眼鏡のフレームは、なんと紫色!
オレンジ、紫、ピンク、黄緑の中から悩みに悩んで紫にしたそう。

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初日は友達に囲まれたらしく、とても得意気でした。

 

そんな色のフレームが売っていることも驚きですが、人と一緒はよくない!個性が大切!といつも言っている妻が、
「黒か茶のフレームを推したのにな~どうしても紫って~」と嘆いていたことが印象的。
(そういう妻は、緑のごついフレームの眼鏡や滝廉太郎さんのような真ん丸眼鏡など、個性豊かなレパートリーを持っています)

妻が育てた通り、ゆうは着実に育っている、と確信しています。
けれど、そんなゆうも最近はこわい妻に口ごたえ、手話ごたえするようになりました。頼もしさと怖いものなしのふるまいに、なかなかやるなと感心する毎日です。

 

ゆうの蔵書が増えてきたので、本棚を1段追加しました。
これまでは、ドラえもん、ちびまる子、サザエさんのマンガ、おしりたんてい、かいけつゾロリなど、安心して読める名作を好んで読んでいたので、自分の小さい頃に好みが似ているなと喜んでいました。

しかしこの夏、お世話になった学童でコ○コ○コミックに出会い、ギャグマンガの魅力にとりつかれてしまったらしい。
クレヨンしんちゃん好きなところで、察したところはありましたが、下ネタ大好き、小低男子!を地で行く展開。
なんとかギャグマンガを買ってもらおうとするゆう、首をふらない妻との攻防が続いています。
私自身は、ドカベン手塚治虫さんのマンガ、ジブリアニメに進んだので、ゆうに魅力を伝えていきたいところです。


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夏休みの自由工作で、お面とTシャツを作りました。

春から3年生

小学2年生の1年は、新型コロナウイルス感染症による一斉休校など、想像もしないような出来事が続きましたが、なんだかんだとあっという間に過ぎていき、無事に春休みを迎えました。

休校や時差通学、短縮授業がずっと続いていたにも関わらず、2年生の学習内容はきちんと終わったようで、学校の先生方のご努力や工夫に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!

 

小学2年生の終業式は終わりましたが、春休みの宿題も、しっかり出されました。
内容はローマ字学習。
かつては中学生の頃から始まったように記憶していますが、どんどん早まってきて、ついには小学3年生からになったようです。

妻が早口でアルファベットの歌を歌うと、ゆうが目をキラキラさせ、「ママってすごいね~~~!もう一回歌って!」
聞こえる子なら小さい頃から耳にしている歌も、8才で初めて聞くとこんな反応に。

 

在宅で過ごすことが増えたゆうは、この間に検定試験に挑戦しました。
私が小さな頃は「検定」と言えば「英検」でしたが、いまでは「漢字」や「算数」などいろんな「検定」が世の中にあふれています。

今月、ゆうは小2レベルの算数検定を受検し、無事に合格しました。
当日は妻に予定があったため、試験会場には私が付き添いました。
聴覚障害を抱えていることを事前に伝え、必要な配慮、その方法についてやりとりを重ねて臨んだ試験当日。
会場の最前列の席が指定され、傍らに試験官の先生が立って、ゆうに試験開始・残り時間・試験終了の合図をしていただきました。
肩をたたいて知らせるような合図です。
また試験開始前の試験官による事前説明についても、当日読み上げる文章の内容をあらかじめ知らせていただき、ゆうに伝えます。
私は初めての付き添いでいろいろ不安でしたが、本人はいたって平静で、試験の解答用紙にも名前や住所、受検番号などをさらさらと記入。
大したものです。
たくさんの小学生が家族と一緒に試験に臨んでいます。
私自身は、こういう検定の試験監督のバイトをよくやっていたので、試験官からはどう見えるのかな、などと想像しながら過ごしました。

 

春を迎え、海ではわかめやあかもくなどの海藻類がどんどん成長しています。そんな春の海を見に葉山へ行ってきました。

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海藻はそんなに好きではなかったのですが、やはり獲れたてはおいしいものです。
ゆうも私も、「わかめしゃぶしゃぶ」など、もりもり食べるようになりました。

 

もうひとつ、写真を追加。
春らしい風景。
この口の形をすること、息をやさしく吹きかける動作が、発音するときには大切だそうです。

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8歳になりました

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ドラえもんのアイスケーキ


先週、ゆうは8歳になりました。

プレゼントには、自分が生まれた時の絵本を作ってほしいと言いました。
生まれてすぐに保育器に入り、まもなく心臓手術をしたことなどは、撮りためたビデオを見て、ゆう自身よくわかっています。

生まれた時、自分はどんな声で泣いたのか、その時、ママは何と声をかけたのか、それを見ていたじいじとばあばはどんな気持ちだったのか、1日をどんな風に過ごしていたのかを知りたいと言うのです。

私は出産立ち会いには間に合わず、慌てて乗った新幹線の中で、おかあさんからの電話を受けて、無事生まれたことを知りました。
そのときのことは、今でもよく覚えています。

そしてその日から波のように押し寄せてくる出来事にもまれながら、なんとか過ごしていた日々を思い出します。
ゆうが当時のビデオを見たいというので時々一緒に見るのですが、食い入るように映像を見つめるゆうの姿に、こんなに大きくなるとは想像できなかったと感じ入っています。
無我夢中であり、ゆうとともに過ごす中で、父としての自覚めいたものが芽生えていったようにも思い返しています。

 

ゆうが学校でどう過ごしているかは、妻を通して知ることがほとんどです。

先日、「ありがとうと思うことが、今日学校であった」とゆうが言ったそうです。

話を聞くと、体育の時間で、体育館を10周走る持久走があり、もともと体力のないゆうはヘロヘロになったそう。

「もう、むりだ、むりだと思ったの。」と言うので、

「あ、わかった、誰かががんばれ~って言ってくれたから、ありがとうと思ったんでしょ?」と妻が返すと、
「ちがう、むりだ~と思ったけど、最後まで走れたから、自分の心にありがとうって言ったよ」とのこと。

その視点は持ってなかった。
ゆうに気づかされることがどんどん増えていきます。

 

 

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ママのまねをして!とカメラを向けた時の表情が、こちら。
…よく似ています。
妻を知る方は大いに笑ってください。

一人三役

今年もよろしくお願いします。

お正月は妻の実家への帰省を自粛し、近くの海岸でたこあげをしました。

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昨年は患者会の役員交代があり、妻が代表に、私も役員を続けることになりました。
ゆうはまだ7歳で、長く会に入っているわけでもなく、正直なところ大役すぎると感じます。
けれど、ここまで歩んできた道のりで、会のみなさんに多く支えていただいたことを思い、少しでもお役に立ち、恩返しできればと取り組んでいくつもりです。

 

○成人式
成人式のニュースを見て、ゆうは「ぼくは2月生まれだから、成人式の時は19才?」と聞いてきました。
「そうだね。成人式の日にはろう学校の同級生と夜に集まったらいいけど、その時は、まだゆうだけお酒を飲めないんだよ。」と妻が説明。
ゆうは「がまんして水を飲むわ。」と答えたものの、ソファに座り、めがねを外して泣き始めました。
早生まれは、複雑です。

 

○白線の内側
ろう学校には電車通学しているため、いつも妻が付き添っています。
いずれはひとりで通いたいと、快速と普通の区別や電車が遅れた時の文字情報を読むなどして、目下勉強中です。

そんな中、いちばんゆうが恐れているのは、ホームに落ちること。
確かに誰かにぶつかろうものなら、バランスを崩してとんでいってしまいそうです。
必ず白線の内側を歩き、前から人が来ても絶対に線路側へは行かない。
理由を尋ねると
「落ちて死にたくないの。80才とか、90才とか、死ぬまで生きたいの!」と、真剣な表情。
それを聞き、なぜかゲラゲラ笑い続ける妻。

 

○一人三役
クリスマスに、知人が鬼滅の刃のぬいぐるみをくれました。
大喜びのゆうは、毎日、ドラえもん、炭治郎、禰豆子と3つ抱えて寝ています。

ゆうがぶつぶつ言いながらぬいぐるみで遊んでいるので、そっと覗いてみたところ・・・
炭「禰豆子を人間に戻したいです」
ド「それなら~じゃじゃじゃ~ん、人間に戻る薬!!飲んでみて~」
禰「ごくごく、戻った~ありがとう~」
人間に戻るための長い旅路が瞬時に解決。
さすがドラえもん(笑)

 

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師走を迎えて

今年も残すところ、あと1週間。
晩秋から師走にかけての風景をいくつか。

 

会話が大事、気持ちを聞くことが大事。

これまで、妻はゆうに「今日うれしかったことは何?」と聞いてきました。
まるでテストのようなので、ゆうがいやがることもあったけれど、最近ではうまく返せるようになりました。
そこで妻は「つまらなかったことは?」などと調子よく質問を重ねていったところ、ゆうが妻に質問するようになりました。

ゆ「ママ、今日うれしかったことは?」
妻「ええと・・・」
ゆ「あるでしょう!よく考えて!」←このセリフ、いつも妻がゆうに言ってます
妻「ええと、そうだ。~説明~」
ゆ「ふうん、じゃつまらなかったことは?」←これも。
妻「ええと・・・ん~、そんな毎日いろいろないよ!ゆうは?」
ゆ「ママの感想と同じにする、先に答えて」

いやがっても質問が飛んでくるので、ゆうが上手に立ち向かえるようになりました。
私もゆうの話術を見習わねばなりません。

「毎日生きていても特筆すべき感想がない日もあるし、本を読んでもコメントできない気分の時もあるって反省したわ~」とは妻の弁。

ぼっ~っと、普段通りの日を過ごせることが、幸せと感じる日々です。

 

近所の植物園。

ゆうが落ち葉で遊びたい!と言うので、この秋、何度かおじゃましました。
今年は家の近くで過ごすことが増え、今まで気がつかなかっただけで、いい場所をたくさん発見できました。

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しめ縄。

今年も妻と私で、それぞれ作りました。
翌日のゆうの作文に、パパは下手だの、不器用だの書かれやしないかと、心配になります。

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牛の張子。

美術館で開催された、干支の張子に絵を描くワークショップに参加しました。
他の参加者さんとは、まったく一線を画した作品となりました!!!

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先月、ゆうは漢字検定9級に合格しました。
9級は小学2年生の漢字までが対象範囲ですが、今年は休校があったため、学校ではまだ全部習い終わっていませんでした。
検定試験では、一般の受験会場に出かけました。
配慮により、ゆうは、会場のいちばん前の席に座り、たったひとり、注意事項を紙で提示され、受験しました。
みんなと同じように受けられるチャンスであり、場慣れの最高体験と妻は言います。

結果が届くと、ゆうは「合格したので、鬼滅のぬいぐるみがほしい!」とサンタさんに手紙を書いていましたが、妻は「フィンランド人はな、鬼滅を知らんわ。残念やな~」と一蹴。
ゆうの反論が聞きたいところ。

もうすぐ今年も終わろうとしています。
よいお年をお迎えください。

ソーシャルディスタンス

小学生になってから習い始めた生け花ですが、今月、先生から初等科お免状をいただきました。
ケイトウなど、私もよく知らない花の名前に詳しくなっているようなので、それなりに積み重なっているのだろうと想像しています。

今日はピンクのフリースに、ピンクのコーデュロイズボンで学校に行きました。
妻のセンスから少なからず影響されているように思えますが、ゆうらしさを大切にしてほしいと思っています。

季節の変わり目がわかりにくくなった気がしますが、もう秋とはいえ晩秋。
新型コロナウイルス感染に注意しつつ、今年も変わらず出かけています。
この1ヶ月で言えば、柿とり、しいたけとり、さつまいもほり、落ち葉焚きなど。
実りの秋、収穫の秋。
盛りだくさんでした。

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こちらは千葉の友人の畑にて。

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涙ぐむゆう。
流行のきめつ、行ってきました。
日本語字幕版を上映する館は限られ、時間帯も公開期間も短め。

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この日は2時間半の立ち読み。切りがないと、買わない妻。

 

秋もゆうは絶好調。
手をひらひらさせる不思議な踊りと独特のオリジナルソング(畑の豊作を祈る歌)を繰り出し、妻の注意も右から左へ聞き流す。
この聞き流しっぷりは、さすが我が子というしかありません。


そんなゆうのエピソードをいくつか。

勉強をしているとき、応用力が必要な、難しい問題には、★印などマークがついていることがあります。
ゆうは、このマークに敏感です(笑)
ある日、ゆうは「白いペン貸して~」と修正液で★マークを消したらしい。
「ふう、これでかんたんになった!」

 

宿題の合間の休憩時間。
そろそろ再開したらと促すと、「まだ足の小指が疲れています。99パーセントです。」
こちらに目も向けず、マンガを読んだまま返してくれました。
聞き流し、言い返す力が身についてきました。

 

「今日学校で5時間目に何やったの?」と妻が尋ねると、「・・・わすれた。」
なんでや!さっきやん!と詰め寄ると、
「5時間目は右半分疲れて~6時間目は全部疲れてからっぽ~」

 

妻の髪は長く、腰まであります。
「ちょっと長過ぎない?切ったほうがいいんじゃない?」とゆう。
私には言えない、痛快です。
一方、私の大事な大事な大事な髪の毛は、がしがし引っ張ります。

 

国語のノートを毎月新しく買い、なんだかへりが早いから気になると、妻がノートを開けてみたそうです。
はは~ん、ゆうは手先が不器用なせいか、うまくページがめくれずに、所々数ページとばして書いていたりしていたようです。
これは私もよくやるミス。
「ここは2ページあいて、ここは3ページあいて、もうもったいない!」と妻が注意したところ、「コロナだから、ソーシャルディスタンスです!」

わ、今年の名言に決定!!!

笑顔で諭す

妻は口が達者です。
私はまったくの口下手なので、何を言っても歯が立ちません。
ところが、最近、ゆうは妻へ見事に言い返すようになり、私はひそかに痛快な日々を過ごしています。
独特の感性にも磨きがかかっている、ゆうの最近のエピソードをいくつかご紹介。


日本語に溶け込んだ英語は、私たちの生活の中にたくさんあります。
みかんがオレンジ、果物がフルーツといった言葉です。
ゆうはそういう言葉をあまり知らないのではと気がついた妻が、ここぞとばかりにクイズを繰り出します。

「ゆうちゃん、鳥は英語でなんて言う?」
「・・・からあげ?」
「は?それは料理の名前!」
「わかった、けんた?」
「は?ケンタッキーってこと?それは売ってる店の名前!」
「ではもう一問、牛は英語でなんて言う?」
「しってる、カルビ!!」

 

「ママ~ちょっときて~かわいいのみつけた~」と妻が呼ばれてついて行くと、
そこには食べた後の巨峰の皮があったそうです。
「ふくろがやぶれてパクパクしてる、小さくてかわいいむらさきのふくろ」、と。
言われてみれば、たしかに。

 

スクールバスから降りたゆうは、満面の笑み。
「ママ、体育でけんけんパがはじめてできたよ!」
家でも数回繰り返し、よほどうれしかったようです。
夜、仕事から帰ったら、恥ずかしながらもけんけんパを見せてくれました。
上手、上手とほめていたら、けんけんパが止まりません。

寝る時、添い寝をしていた妻に「先生だれも、ほめてくれなかった。どうして?」とぽつり。
7歳ではじめてできるようになったなんて、みんな思わなかったんでしょうね。

 

先日、ゆうが学校で受けた国語のテストの点数が悪く、妻が不満な態度をしてみせたところ。
「42さいだからがまんできる、だいじょうぶ」とゆうに笑顔で諭されていました。
口の達者な妻でさえ、何も言い返せない言葉を繰り出すゆう。

成長しています。

 

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至福の時間