ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

医療費助成の仕組み

ここまで、さんざん頭を抱えさせられ、悩まされた医療費助成の仕組みについて、思うことを書いておきたいと思います。

下に引用しているように、子どもを対象として、複数の公費負担医療制度(つまり、税金で医療費を支払いますよ、という仕組み)が存在します。
ありがたいことです。

けれども率直に言って、こんなにたくさんあるとは知りませんでした。

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出所:第2回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会 |厚生労働省 

一番メジャーなのは、◯乳(まるにゅう)と呼ばれる、自治体が実施する乳幼児医療費助成でしょうか。これは表にはありません。
自治体ごとに、所得制限の有無、入院・通院、年齢などで、助成を受けられる対象が異なっています。

「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」結果の送付について |報道発表資料|厚生労働省

ゆうは、生まれてすぐに入院し、そのまま2ヶ月、病院で過ごしました。その間に、利用した制度は、3つになります。

そこで、頭を抱えるのは、我が子がどの制度を使えばいいのか、ということ。
役所の窓口で尋ねると、お医者さんに聞いてみて、と言われ、お医者さんに聞いても、どっちもありかな、といった具合でなかなか答えにたどりつかず。

制度の申請書を取り寄せ(あるいは直接窓口で受け取り)、ゆうの症状、治療の内容が対象になるのか、対象になる制度が複数ある場合は、どれを使えばよいのか、などなど、考えなければならんことが次から次へと湧いてきました。
で、制度を使うためには、医師に意見書を書いてもらわねばならぬことが多く、それを頼むのにもちょっと気をつかいます。

病院の事務の方(公費負担医療の窓口の方かな)が、医師との間で調整してくれたこともあり、なんとか乗り切った感じです。

ただでさえ、こどもの病気で心配のまっただ中にいるのに、制度の選択に追いかけられたのは、しんどかった。
私は、仕事柄、多少見通しがついたので乗り切ったと思うけれど、いきなり患児の親に選択を迫り続けるのはよろしくないと痛感しました。
落ち着いた後、こういう話を役所の担当の方に話したけれど、自治体は国の仕組みなんで、ってなトーンだし、国はそんなに手間ですかね、と他人事の印象でした。

我が家は、
1)養育医療
2)小児慢性特定疾患治療研究事業
3)自立支援(育成)医療
4)乳幼児医療費助成
という流れだったと記憶します。

乳幼児医療費助成があれば、医療費の自己負担がほぼなくなるので、それを使うのが一番楽。
けれど、自治体にとっては、それだと自分の財布がいたんでしまうので、国の制度を使うよう促します。この誘導の力の入れ具合が、自治体によっても違うようで、里帰り先と地元とでは、病院や自治体窓口の担当者の認識に、大きな違いがあるように感じました。
同じ制度なのに、窓口レベルで差が生じている、、、政治・行政の研究をかじっていた者としては、知的好奇心を大いに刺激されましたねえ。

ちなみに、制度によっては、病院を変わるたびに、もう一度申請を出しなおさねばならず、その手間を惜しんで、どうしても乳幼児医療費助成を頼りにしてしまうのも、しかたないことです。

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出所:第2回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会 |厚生労働省 

この小児慢性特定疾患の医療費助成は、難病医療と合わせて、今年の国会で法改正され、来年1月から仕組みが大きく変わります。
上で示した図は、現在の制度のものですので、ご注意ください。(制度が変わる端境期なので、今、さらに手間が増えていることは、ぐぐっと我慢するしかありません)

ただ、手続きの大まかな流れ自体は変わらないように思うので、このように、親子を悩ませる複雑な手続きを乗り越えるサポートは、これからも必要になるはず。

私も知恵をしぼります。