ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

小学1年生

桜満開の中、ゆうはろう学校小学部に入学しました。

すでに友達になった同級生や遊んだことのある上級生に囲まれ、緊張よりも誇らしげな表情のように見えました。
「べんきょうをがんばって、ぜったいびようしになりたい」と申しております。
頼もしい限りです。

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妻は最近、お金の計算をゆうに教えているようです。
「日本語も大事やけど、お金も大事」とのこと。
きっかけは、ゆう名義の通帳を見せて、「パパとママが死んだら、このお金で暮らすんやで」と伝えたら、ゆうが大泣きしたこと。
そりゃ泣くでしょうよ。
あんまり泣くので、妻が「お金はなくなるから、美容師になって仕事して、誰かと結婚したらさみしくないで」と言ったら、うなずいて泣き止んだそうです。
ちょっと素直すぎる。


「500円は100円5枚でもいい。100円は50円2枚になってもいい」
「いちばん安い野菜はもやし」
「ママとゆうの服はパパの服より高い」
我が家に妻の声が響き渡ります。


最近のゆうはと言うと、元号にはまっています(笑)
明治と大正生まれの人に会いたいそうで、街中のお年寄りを見ると「ちがうかな?」とつぶやいています。

そして、相変わらずのドラえもん

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ドラえもんのマネ、風呂敷を背負ってお出かけ。

今月ゆうには卒園、入学に並ぶほどのイベントがあります。
あらためてブログに書きたいと思っています。

卒園 富士山八合目

先月、聾学校幼稚部を卒園しました。
年少クラスに10月から編入学し、2年半あまり。

この間身辺自立が進み、ひとりで駅のトイレにも行けるようになりました。
絵日記や手紙を書いたり、マンガを読んだりもできるようになりました(といっても、ドラえもんばかりですが)。

小学校で勉強するための準備期間でもありましたが、ゆうのキャラクターを作る根っこの時間でもあったと感じています。
あたたかな先生方に恵まれ、のびのびと成長し、感謝の気持ちでいっぱいです。

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卒園 おめでとう!

卒園お別れ会では、10分ほどの文章を暗記し、手話と音声で発表しました。
締めくくりの一言は「ぼくはろうがっこうがだいすきです」
保護者がぐっとくるような演出も工夫されていて、私はそれなりにこみ上げてきましたが、妻はやはり涼しい顔のまま。
「例えるなら富士山八合目駐車場あたりや、泣けるわけがない」とのこと。
富士山の八合目には駐車場はないし、駐車場があるのは五合目だから、まだ半分だとすると先は長いし。
登頂するのはいつになるやら。

 

早春ギャラリー
〇和紙作り

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恒例妻プレゼンツ企画。

〇山菜の天ぷら

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葉山でつわぶき、のびる、つばき、たんぽぽなどを収穫しました。

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〇ミニブタカフェ

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フクロウカフェに行った友達ママと、今月オープンしたばかりのこちらに行ったそう

お別れ会での発表や卒園式と行事が続き、あっという間の3月で、感慨に浸る暇もありませんでした。
気がつけば、桜が満開となり、今月小学部に入学します。

6歳!

おかげさまで、無事に引っ越しを終え、新しい住まいでゆうは6歳を迎えました。
ゆうのリクエストに応えて、じいじばあばからはLEGOドラえもんのマンガ、私たちからは、ゲームをプレゼントしました。
ばあばいわく「まさかマンガが読めるようになるなんて、うれしくて全巻買っちゃった。」
ゲームは、入院中にお友達が自由自在に操り、ゆうも一緒に遊ばせてもらったらしく、ずいぶん前から要求されていました。
ただ、買ったはいいものの私がゲームにとんと疎く、うまく遊べずに今に至ります。ゆうのイライラが募る日々です。

「6歳になったら〇〇する」と以前から本人は誓いを立てていて、誕生日の朝からさっそく実践。
スプーンを使わず箸で食べる、高低差がある段差でも手をつながず、まずは自分でトライする、などなど。
早生まれなのでクラスメートがみんなすでに6歳になっていて、憧れの気持ちもあったようです。

昨年の夏、ゆうは現在通っている学校とは別のろう学校の体験授業に、何回か出かけました。
小学校に進学するタイミングなので、ゆうにはいろんな学校があることを知ってほしいと思ったからです。
今の幼稚部に入る前にも、いろんな学校、療育施設をめぐっていました。
同じような感覚で、あちこち出かけて行きました。
さまざまな選択肢の中で、本人が何を感じ、はっきりと気持ちを表すかどうか、正直なところわかりませんでした。
最終的には、本人の意思と私の仕事の事情も考えて、今とは違うろう学校に進むことに決めました。

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6歳!

小柄なゆうが背中よりも大きなランドセルを背負い、雨の日は傘をさして、電車とバスを乗り継いで通学し、5時間目まで授業が受けられるだろうか。
4月からの学校生活を思い巡らせています。

 

ゆうが1歳半から続けてきたこのブログ「ゆうびん」も、ついに小学校入学間近となりました。
いつも温かくお読みいただき、ありがとうございます。

ドラえもん

今年はじめてのブログ更新ですが、すでに2月。。。

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正月早々、獅子舞を見たいとのリクエストで生田緑地へ

心臓の手術が無事に終わり、昨年末に退院したゆうでしたが、長い入院で体重も体力も落ちたようです。

年が明け、初詣には出かけましたが、長い時間のお出かけはくたびれる様子。
ろう学校にも復帰したのですが、体調を崩してしまい、しばらくお休みしました。
年々身体が強くなってきたと喜んでいましたが、1歳の頃に逆戻りしたよう。
久しぶりに気管支喘息で入院もしました。
というわけで、自宅で過ごす時間が多い1月でした。

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いよいよ今月6歳になるゆうですが、最近のブームは「ドラえもん」!
夢にも出てくるらしく、朝起きるなり「ドラえもんにあった!!」とうれしそうです。


〇餅つきごっこ

先月幼稚部で餅つきがありました。
事前学習として餅つきごっこをやることに。
段ボールで作った「きね」「うす」と、布の「もち」で体験をします。
何の役がやりたい?と先生がたずねたところ、「みずのやく」と答えたゆう。
「〇〇ちゃんがもちをかえすとき、ゆうのかみのけにてをつけてほしい」
ゆうは鍋に腰をかけて水の役をやり、お友達がもちをかえす時、ゆうの髪の毛をわしゃわしゃしたそうです(笑)

その発想はなかったなあ。

 

〇電車ごっこ

幼稚部みんなで電車ごっこ。走り回る子どもたちの中、ひとりだけゆうが立ち止まっているので先生が理由をたずねたところ、「ぼくはしぶやえき」(笑)

なぜ渋谷駅なのか?

 

〇かたつむり

ろう学校で造形の時間に、凧を作ったそうです。
ゆうはかたつむりを数匹描きました。
妻がこの季節になぜ?と詳しく説明を求めたところ、書いた絵日記がこちら。

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ぞうけいでたこあげをつくった。かたつむりのえをかいた。かたつむりがすき。ほいくしょでかたつむりのほんをよんだからすき。ほんをめくるとめがぴょーんととびだす。ともだちを20ぷんまっているかたつむりをかいた。ともだちがおそい。いっしょにすきやきのざいりょうをかう。つぎにあめのシャワーがきもちいいいいい。


「すきやきの材料って何買うの?」と笑いをこらえて聞いてみたら、「うどん」と答えました(笑)

 

実はまもなく我が家は引っ越しをします。
ゆうは、なにやらウキウキしています。
楽しみな理由は「つぎのへやはおしいれがある!ドラえもんみたいにおしいれでねたい」とのこと。

私もドラえもんにはまっていた子どものころ、押し入れにこもって寝泊まりしたことがあります。
秘密基地みたいで、楽しいですよね。
親に似るというより、ドラえもん好きの子どもがもれなく通る道なんでしょうね。

今年もよろしくお願いします。

2回目の心臓手術が無事に終わりました。

今月、ゆうは、2回目の心臓手術を受けました。

生まれて一ヶ月も経たないうち、命をつなぐため、初めて心臓の手術しました。

ありがたいことに、その後の経過は順調でしたが、いずれ根治に向けた手術が必要な状況にありました。
体がある程度大きくなってからの手術の方がリスクが少ない、という説明を受けて、定期的に診察を受け続けて5年。
お医者さんと相談し、そろそろ手術のタイミングを計るべき、という判断をしたのが去年のこと。
昨年3月、カテーテル検査のための入院を済ませて、いざ手術、というタイミングで、私がインフルエンザにかかり延期。
次の予定日はゴールデンウィーク前でしたが、病院の都合で延期。
3度目の日程は今年末。

いざ手術の日が近づいてくると、親としては気持ちが落ち着かず、できることなら先延ばししたいという気持ちや、もうこれでおしまいになるのだからやってしまおう、という思いと、あれやこれや思い乱れていました。

そして入院。
翌日朝には手術室へ。
ゆうは、「弟」のぬいぐるみ「てむう」と一緒に手術室に笑顔で入っていきました。(てむうはゆうが命名、7月生まれの3歳、聞こえない犬で耳にクリップ補聴器をつけています)
手術室で見送るこの瞬間は、いつも、言葉では表せないような、なんとも言えない気持ちが湧き上がります。たまりません。

家族待合室で過ごす時間も、穏やかではありませんが、流れているテレビは、12月を迎えて1年を締めくくるような雰囲気であふれていて、私たちのまわりの空気との差を感じていました。

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ICUにて

無事に手術を乗り越えた後も、慎重に体調をみながら、およそ20日の入院生活。

本人は、DVD(購入したテレビカードによると、100時間近く見た!)と図書室から借りてきた「ドラえもん」(全巻読破)を読みながら、マイペースで過ごし、楽しい時間だった様子。

面会時間以外は、人工内耳を外しているため、看護師さんとの意思疎通が難しいかと心配しましたが、ふつうにナースコールを押して、身振りや筆談でコミュニケーションできていたようです。
置かれた環境に合わせて、柔軟に対応できるゆうの姿には、ずいぶん成長したもんだと実感させられました。

聞こえるお友達ばかりでしたが、同世代とはすっかり打ち解け、ご飯を誘い合って食べたり、夕飯後にかくれんぼやだるまさんがころんだをしたり。

いざ退院の日が近づいたところ、不整脈が出たため、退院が延期となり、ずいぶん気を揉みましたが、無事に退院しました。

予想よりは長いゆうの入院でしたが、退院時には「にゅういんたのしかった!またにゅういんしたいです」と紙に書いて、看護師さんに渡すほどの余裕。

またお友達とはLINEを交換していて、「うちでたべたからあげは、おいしかった?」「かいてんずしにいったよ」などと(いつの間にかマスターしていたフリック入力)連絡をとっているようです。

病院のスタッフのみなさんをはじめ、同じ病棟の子どもたちとそのご家族に支えてもらったからこそ。
このご縁と経験を、これからに活かしたい、そんな気持ちが沸きあがってきました。
本当にありがとうございました。

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よいお年をお迎えください。

来年もよろしくお願いします。

バイバイます

週末に仕事が続いたこともあり、前回のブログからずいぶん間が空いてしまいました。
これだけ長いと、親しい友人から「ブログ更新ないけど、ゆうくん具合悪いの?」と尋ねられることもあります。
ご心配をおかけしました。
ありがとうございます。
ゆうは元気です。

 

あっという間に過ぎていった秋の一コマ

○地引き網

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聴覚障害者協会が主催する地引き網に参加しました。

 

○ハロウィン

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本人の希望でキキになりました。 自分で「かわいい」と鏡を見て言っていました(笑)

○らくがきワークショップ

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門秀彦さんのワークショップに参加しました。 壁一面に聾学校の子どもたちと絵を描きました。

○ししまいブーム

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なぜか急にゆうは「ししまい」にはまりました。

らくがきワークショップでも「ししまい」の絵を描き、「ししまい」ごっこがやりたいとおねだり。
妻がビール箱と靴の箱で「ししまい」を作り、クラスのお友達と遊びました。

 

○虹

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ゆう画伯による、虹です。

○玄関で昼寝

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11月に聾学校の文化祭があり、連日劇とダンスの練習をしていました。
お疲れのゆうは、、、玄関でそのまま尽き果てる。

 

○しいたけ狩り

 

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昨年よりも遅かったので、森の中ではなく、ビニールハウス内での収穫となりました。
ここのしいたけのジューシーさは、肉にも勝ります。

 

最近のゆうのこと。

来春の聾学校小学部の入学に際し、面談がありました。
「ぼくはしょうらい、びようしになりたい」とその場で答えたゆう。
帰り道、「ままはしょうらい、なにになりたいの?」と妻に尋ねたらしい。
妻は、いまさらかい!と思いつつ、いろいろな職業を合うかどうか聞いてみたけれど、ゆうはうんと言わない。
そこで妻が、「・・・おもしろいおばあさん」と言ったら、「うんうん、いいね!」と答えたそう。
妻は「おもしろいおばあさん」を目指します。

 

私と妻は2歳差です。


「ぱぱが2さいのとき、あかちゃんのままをだっこしていたの?」
そっ、それは兄弟だなと思いつつ、子どもの発想に脱帽。

 

「おはよう」ではなく、「おはようございます」

「ごめんね」ではなく、「ごめんなさい」


目上の人には丁寧な言葉を使いましょうと、幼稚部の先生が教えてくれたそう。
「じぁあさ、バイバイって、ていねいにいったらなに?」と妻が尋ねたところ、
「・・・バイバイます?」との答えが。


今まわりでは、「バイバイます」が流行っています(笑)

東京モーターフェス

トミカ好きなゆうとは、これまでにも、はたらく車を集めたイベントやモータースポーツジャパンに出かけてきましたが、今回は東京モーターフェスに参加してきました。

tmfes.com

同じお台場で開催されるモータースポーツジャパンよりも会場が広くて、すべて見て回るのが難しいのが正直なところ。
また、テーマが「バブル」だったので、当時よく見かけた車に懐かしさを感じ、私が近づいていこうとすると、ゆうが、古い車は見たくない!ときっぱり拒否。
というわけで、新しい車、はたらく車が集まるエリアを中心に過ごしました。

メルセデスベンツから軽トラック、そしてダンプカーや観光バス、10トントラックと、いろんな車の運転席に座っていきます。
ゆうは、なにやら誇らしげにハンドルに手をかけ、近くのスイッチをいじっています。
ちょっと頼もしい感じ。

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帰り際、一番、楽しかったのは?と尋ねると、
バイクに乗ったこと、との答え。
あれだけたくさん乗った自動車ではなく、バイクなのか、と意外な答えに驚きます。
バイクにまたがっている時、さほど興奮しているように見えませんでしたが、ツボにはまってたんだね。

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ちなみに私は、ランドクルーザーで階段と急坂を上り下りした時が、一番テンション上がりました。

 

今回は、たくさん制服を着ることができたのもポイント。

トヨタ

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自動車整備士さんと一緒に車の動き方、点検方法を学びました。

 

GAZOO Racing

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タイヤのボルトをマシンで取り外しました。

 

UDトラックス

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 トレーラーの前で記念撮影

 

見よう見まねで手話を使いながら、一生懸命コミュニケーションをとろうとしてくださる方も多く、ありがたく楽しく過ごしました。

気がつけば、夕暮れ。
聴覚障害があっても、今は運転免許を取ることができます。

インフォメーション - 重度の聴覚障害の方の運転免許取得が可能となりました - ひろげよう人権


家路につき、ゆうの絵日記には18歳の自画像!とともに、

「18さいになったらうんてんめんきょをとりたい」と書かれていました。

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 18歳になったら脇やら下から毛がボーボー生えているし、免許もとれる年齢なんだと憧れの様子(笑)

毛がボーボーのゆうの車に乗せてもらう日が楽しみだ。