ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

手のなかのかたち

横須賀美術館で開かれた、子ども対象ワークショップに参加してきました。
講師は開催中の企画展、「自然と美術の標本展」の造形作家、原田要さんです。
手をグーの形にした時、手のなかはどんな形になっているのか、石膏で型をとってみようというもの。
手のなかのかたちは、目には見えないものですが、石膏によって目の前に「かたち」となって現れてきます。
考えてみるとたしかに不思議。

横須賀美術館

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美術館にある、海を眺められるレストランでお昼を食べながら、ワークショップという新しい手話を使って、楽しみだね!などと、妻がゆうのテンションを上げます。
が、ワークショップ開始直後、ゆうはあっけなく睡魔にさらわれてしまいました。
船を漕ぐゆうが椅子から滑り落ちてしまいそう、また、まわりの雰囲気を壊していないかと、私はハラハラ。
すると「ちょうどよかった」と妻の明るい一言。
石膏は固まるのに10分程度、じっとしていなければなりません。
妻が、寝ているゆうの手の中に石膏を流し込み、私が両側から押さえつけることに。
石膏は化学変化で、熱を出しながら固まるため、次第にぬくぬくしてきます。
ゆうもさすがに異変に気がつき、何だ何だと目を覚ましました。
多くの子どもたちが制作に取り組む中、起きたゆうは泣き出しますが、妻は「大丈夫!ママもやってるよ。楽しいねえ!」と顔色変えず、手話を繰り出します。

そしてできたのはこちらの作品。

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左が妻の手のなかのかたち、右がゆうの手のなかのかたち。

ワークショップ終了後、感想を尋ねると、「楽しかった!パパは?ママは?」とゆうの満面の笑みのコメントがありました。
ビ・バ・我が家のかたち。