2015年の終わりに
去年の今頃は、ひたすら風邪をひかないように、とピリピリしながら、過ごしていました。
年明け早々、人工内耳の手術が予定されていて、体調を崩してしまうと、手術自体が大きく延期される可能性がありました。
一般的に、人工内耳をするなら小さいうちがいいよ、と言われていたので、このチャンスを逃すと、次はとても遅くなってしまう、なんとかこの機会に手術せねば、とどこか焦りにも似た感覚がつきまとっていたように感じます。
この感覚は、他の手術の時でも同じようなことが言えて、例えば、心臓などの手術であっても、術前の体調によって、手術ができるかどうかがかかってきます。
なのでどうしても、子どもの体調管理に神経質にならざるを得ません。
だから、外出して風邪などひかないように、屋内で過ごすことが増えましたし、行動が慎重になっていた気がします。
でも、こうした心持ちが続くと、親はもちろん家族、親族にとっても精神的に大いに消耗するので、しんどいものです。
1歳、2歳の頃は、寒くなるとすぐに鼻水たらして、咳が出てくるもの、と割り切らざるをえない、とも感じます。
病気をもらってくるのを気にしすぎて、外出できなくなると、その分、ゆうにとっての日常が単調になってしまうように思えます。
かえって、ゆうの育ちにとってよろしくないのでは、なんだか本末転倒ではないか、などと考えてしまいます。
難しいです。
バランスをとるしかないんでしょうか。
今は、異変にいち早く気づくこと、そして、無理しすぎないうちに休ませる、このスタンスで臨んでいます。
今年は、風邪をこじらせての入院もありませんでした。
ゆう自身も体が大きく、強くなってきたのかな、とも思います。
1年を振り返ると、今年の一大事は、新年の人工内耳手術でしょうね。
そして、術後に取り組んできたさまざまなトレーニングやそれをきっかけとした多くの出会いも大きな出来事でした。
最近では、ひらがなで、ママ、パパ、ゆう、を見せると、手話と声で伝えてくれます。
また、いくつかの言葉では、声に出した言葉を聞き取っているようにも思えます。
例えば、「タクシー」や「ピーポー」、「トラック」を取ってきて、と声に出してゆうにお願いすると、大ブームのミニカーの中から、それを持ってきて渡してくれます。
ただ、そのやりとりをする時のゆうは、音だけでなく、私たちの口の形も観察している様子なので、すべての要素をひっくるめて、判断しているのかもしれません。
ゆうにとって、音が入ってからまもなく1年。
サインや手話の方が使い慣れていて当然です。
まだ1年、とも、もう1年とも感じますが、いずれにせよ、先は長い道のりです。
ゆっくり急ぐ、くらいの心構えで、気負いすぎずに過ごしたいものです。
今年も、「ゆうびん」にお付き合いいただき、ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。