ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

「生きる力」

ゆうが1歳2か月からお世話になっている保育所では、お迎えに行くと保育士さん達が今日の様子を伝えてくださいます。
同世代の集団の中、ゆうがさまざまな刺激を受けていることを感じるエピソードは、我が家の楽しみにもなっています。

今週は、ゆうがみんなでおやつを食べる時、ハンカチを配るお手伝いをした話を伺いました。
ハンカチに書いてあるお友達の名前をわかって配っているようだった、保育士さんは驚いた表情で話されました。
私たちも、ゆうはひらがなを覚えましたが、まさか名前がわかり、それが人と一致しているとはまだ思えませんでした。

そこでその日の夜、ひらがなで書かれたことばが文字だけで理解できているのかを確かめるべく、妻が「実験」をしてみたそうです。
ひらがなのカードを並べて、
例えば、「くるまは?」「めがねは?」「とまとは?」と手話だけで尋ねてみました。
ゆうは迷うことなく正解を指差しました。
ゆうはわかっているんだ、お友達の名前もしっかり覚えているのだ、とこの時はじめて知りました。
この事実は我々にとって大きな驚きでした。

2歳半になるゆうはまだ歩けないし、話すこともできません。
定型発達から遅れている部分に目を向ければ、ゆうは発達がゆっくりな、支援が必要な障害児です。
しかし視覚優位のゆうは、文字に対するリテラシーが年齢よりはるかに高いことを知りました。

これからゆうと過ごす中、ゆうが得意とすることを見つけ、伸ばし、それを社会で「生きる力」へと育てていきたいと願っています。

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    保育所のカメと「ゾウ」