ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

音を入れました

左耳に音が入って、1週間を過ぎました。

「音入れ」と言ってもあんまりイメージがわきにくいかと思いますが、左耳に入れた人工内耳の電極に音の刺激(電流だそうです)を入れることを言います。

初めてのことですから、電気の刺激をいやがったりして泣き出す子どもも珍しくないそうです。
が、やはりゆうさんは大物なのか、特に大きな変化もなく、淡々と過ごしておりました。

今まで補聴器をかけていた左耳には、スピーチプロセッサという機械、その少し上のマグネットで送信コイルがつきました。
音入れでは、パソコンソフトを使って、いろいろな種類の音を入れつつ、その音へのゆうの反応を見ながら、プログラムを作っていきます。
傍から見ていると、なんとも不思議な光景。コンピュータの力を、改めて見せつけられた思いです。

ゆうがつけたのは、コクレア社の機械。オーストラリアの会社です。

http://www.cochlear.com/wps/wcm/connect/jp/home

会社の沿革などを読むと、人工内耳という技術自体が、まだできてから35年ほど、発展途上のものなのだなと感じます。

音を入れた後、思わず大きな音を出して振り向かせよう、という誘惑にかられます。けれど、それはやってはいけないこと。
音に気づいて振り返っても、用事がないとわかれば、音を無視するようになってしまうそう。彼の立場に立てば、なるほど、と感じます。気をつけないと。

音が入って1週間を越え、ゆうに目立って変化はないように感じられますが、いつも見ているテレビ(例えば、Eテレの「おかあさんといっしょ」「みいつけた」)の見方が少し変わってきたかな、とも。
音に合わせて体を動かしているかな、と見えるような。

劇的に変化を見せる子もいるそうですが、ゆうは、これまで通り、の様子。
多少ゆっくりだけれど着々と成長していくと期待しています。
まわりを気にすると、どうしても焦りを感じたり、違いばかり気になってしまいがち。ゆうと過ごして、日々できることが増えていくことに気づき、これはできるかな、できないかな、と一緒にやっていければいいのでは、などと今は考えています。

まだまだはじまったばかりです。