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ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

聞こえないということ

 ゆうの耳が、ほとんど聞こえていない、と診断されても、いつも通りゆうは活発に過ごしていて、まったく実感が湧きません。

ただ、音が聞こえていれば反応が出る脳波に、ほとんど反応が見られない、という検査結果は確かです。

じゃあ、私たちは、この子の難聴にどう向き合っていけばいいのか。
今、私たちにできることは何か。

明快な答えが出る話ではありませんでした。

ひとつ、今後の選択肢という意味で、医師から話があったのは、人工内耳という方法で、音を脳に届けることができる、ということ。
ただし、入る音は抑揚の少ない機械音に近く、また、音自体が脳に入っても、その意味を認識できるかどうかは、知的な発達に応じて変わり、個人差も大きく、確実ではないそう。
例えば、犬が「ワン!」と鳴けば、私は「ワン」という音を聞き、それが犬の鳴き声だと知っているので、すぐに意味を理解できます。
けれど、生まれながらの難聴の子にとっては、「ワン!」と「犬」とを結びつけるような認識を持っていません。
なので、音とその音の持つ意味とを結びつけて理解するための訓練が必要になります。

これは耳が聞こえる私が想像すること自体が難しく、「聞く」ということが、実は持っている複雑さを痛感されられます。

そんなことを考えていると、この先、この子はどう育つのか、私たちにできることは何か、何をすればいいのか、疑問や不安であふれかえるばかり。

ちょうど、連休を迎えていたので、気分転換にみんなで旅行でも、と出かけたのは伊豆高原
出かけながらも、今後の段取りを相談するため、療育センターのケースワーカーさんに連絡し、スケジュールを組んでいきます。

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現実と旅の時間とを行ったり来たりしながらも楽しく過ごし、帰宅。
目の前に、果たしてない現実が押し寄せてきます。
心と体が激しく揺さぶられました。

この時間を経験し痛感したのは、とにかく、頼れる人、使える仕組み、いろんな力を借りよう、ということ。
家族だけで乗り越えるのはちょっときつかった。

いろんな立場の人に相談しました。
それぞれの両親や友人、役所の保健師さん、療育センターのケースワーカーさん、信頼できる医師。。。

大事なのは、家族の中だけで抱え込まずに、遠慮せずまわりに助けを、支えを求めることだと、振り返って思います。

先天性難聴を調べると、早い時期の音入れ(補聴器をつけるなど)が大切、とのことでしたが、行きつけの大学病院では受け入れられず、療育センターの耳鼻科の診察を待つことになりましたが、月1回のため、3週間ほど待たされることに。
それはたまらん、と大学病院で勧められた別の大学病院の耳鼻科に連絡したところ、すぐに予約をとることができ、2週間後には補聴器をつけられました。
考え思い悩むより、まず行動。
大事ですね。f:id:xh123:20141110005003j:plain

補聴器をつけ、まずは一安心。

けれど問題は、これから裕の聴力を支えるために、どんなことをすればよいのか、という点です。
そこで、ろう学校の乳幼児相談に出かけることにしました。
担当の先生と一緒に、ゆうと遊びながら、これまで、どのようにゆうと接してきたのか、どう過ごしてきたのかを話します。
そうした話のやりとりや遊びの中で、子どもとの関わり方、コミュニケーションをどう取ればいいのか、助言をもらっていきます。
私も、もっと大きな声で話して、と指摘されました。
小声はもとより滑舌も良くしなればなりません。

子どもの聴力をどうこうしよう、というよりも、今は、親を鍛えることが先。そんな印象でした。