ゆうびん

CHARGE(チャージ)症候群という先天的な疾病を抱えて生まれた裕(ゆう)と過ごす風景を書き連ねます。

今どきのボウリング

ゆうが好きなアニメはたくさんありますが、その中のひとつに「おさるのジョージ」があります。
最近見たストーリーに、ジョージがボウリング場で、たくさんのなぜ?を解決していくものがあり、ゆうはボウリングに興味を持った様子。

というわけで、はじめてボウリング場に出かけました。

まず、靴とボールを選び、いざレーンへ。

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一番軽いキッズ用の6号球を抱えながら、はじめての投球。

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最近のボウリングは、すごいですね。

子ども用すべり台のような補助道具や、ガーター防止柵まであり、ゆうもそれなりのスコアをたたき出すことができました。

さすがにくたびれたようで、帰りの車では寝てしまいました。

ちなみに、10年以上ブランクのあった私は、スコアが3ケタにも届かず、妻にも及ばず、衝撃を隠せずにいます…

 

そして、もうひとつのはじめても。

社会福祉法人全国盲ろう者協会が主催する「全国盲ろう者大会」が幕張メッセで開かれ、夫婦でボランティアとして参加してきました。

全国盲ろう者協会ホームページ更新情報

チャージの会のつながりで、これまでも盲ろうの方と接することはありましたが、全国大会ともなると、若者からお年寄りまで、弱視ろう、盲難聴など、目の見え方、耳の聞こえ方がさまざまな方々がいらっしゃいました。

そんな方々が通訳や介助員と一緒に参加し、日々感じていることや就労、芸能、スポーツ、アジア各国とのネットワークづくりなど、さまざまなテーマで活発に意見を交わします。

マイク回しのお手伝いなどをしましたが、あちこちで手が上がり、会場内を飛び回る一日でした。

盲ろう者は、古くはヘレンケラーの存在が有名ですが、これまで必ずしも支援が行き届いていたわけではありません。
盲学校、聾学校の双方が受け入れず、家に引きこもざるを得ない環境に置かれることも決して珍しいことではなかったようです。

明るくおしゃべりの方が多い印象を受け、価値観が揺さぶられ、深く印象に残った一日でした。

 

最後に、これも初体験。
家族みんながいつも髪を切ってもらっていて、ゆうを美容師の道(七夕の短冊にも書いた将来の夢は美容師)へと引き込んだおねえさんに、シャンプー台で頭を洗ってもらいました。

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5歳半の夏 広島と京都

ゆうが生まれて5年と6ヶ月。
CHARGE症候群の診断を受けてから、ほぼ4年。
あらためて書くと長いような気もするものの、やはりあっという間という感覚の方が強いでしょうか。

その頃は、この先どのように育っていくのか、考えても答えが出ないことを考えつつも、とにかく、今やれることをやろうと過ごしてきて、今に至ります。

こんなふうに夏を過ごしているとは、その頃は想像もできませんでした。

今年の夏は、いつものように広島への旅に出かけ、帰りに京都をまわりました。

まず、広島と言えばマツダ

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マツダミュージアムと工場見学に参加しました。
三輪トラックから始まった会社だったんですね。
ゆうとともに、自動車組立工場の効率的な作業を上から眺めて、その仕組みに感嘆。
流れ作業で淡々と自動車が組み上がっていくさまはおもしろい!

 

今年も原爆ドームを訪ねました。
風がそよいで、キャンドルの火が消えやすかったですが、過ごしやすい夕暮れ。

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8月9日、長崎に原爆が落とされた73年前を思い、キャンドルナイト

 

そして恒例の釣り。
今年もめだか丸にお世話になりました。めだか丸釣行記

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ゆうもリールをゆっくり巻いて釣り上げました。

船長さんの腕のおかげで、息つく暇もない、まさに入れ食い状態。

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ひらあじ96匹、たい9匹、べら1匹、合わせて106匹。

朝6時過ぎに出港し、12時ごろに戻るまで、実質4時間弱でこの釣果。
さばや小さなたい、ふぐなどリリースした魚も多くて、ほんとにひたすら釣り上げ続けていました。

続いて、宮島でシーカヤック
こちらでお世話になりました。
宮島シーカヤック大鳥居ショートコース | HART ADVENTURE CENTER

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厳島神社の鳥居を海からくぐる様子を見て、一度経験してみたいと思って参加しました。
ところが、当日は玉取祭が開催されていて神事の時間と重なり、くぐることはかなわず…

残念でしたが、海の上から、厳島神社と弥山、そして玉を取り合う男達の姿を見ることができたのでよしとします。
欲を言えば、もう少しゆらゆら揺られていたかった。
しかし、親の心を知らず、ゆうはカヌーに揺られているだけなのに「疲れた~」とのこと。
私だけパドルを持ち、妻とゆうは漕いでもいないのに(笑)

 

真夏の広島城を訪ね、マツダの工場を見学し(午前中にはトミカ博にも行きました)、早朝から釣り、暑い宮島でシーカヤック
そして夜はバーベキューと、旅のスケジュールも息つく暇もなく詰め込まれていましたが、ゆうは親よりずっと元気でテンションも高く、過ごしていました。

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バーベキューもいいけど、夏と言えばすいか。洗面器でいただく田舎のすいか。

 

慌ただしく日程をこなして、京都へ。

広島市内や宮島でも、外国からの旅行者の方々を多く見かけましたが、そこはやはり京都。
市バスの車内で飛び交う言葉は、外国語ばかり。
修学旅行で京都を訪れた四半世紀前と、同じ場所とは思えません。
ゆうが大人になったころ、京都はどんな風景が広がっているのでしょうか。

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京都駅で、おさるのジョージと。

CHARGE 夏の集い in 神奈川

ゆうが抱えているCHARGE症候群の子どもや家族とその支援者で構成している「CHARGEの会」では、年に一度、夏の集いを開いています。

今年は、神奈川での開催となり、初めて運営する立場から参加しました。
(これまでの開催状況は、

charge-syndrome.net

首都圏以外の都市で開催する時は、その地域の医療、教育、福祉の関係者の皆さんに参加を呼びかけて、CHARGE症候群という病気そのものを知ってもらうことに力を入れますが、首都圏では大勢の参加者にどのような場を提供できるか、思案のしどころです。

これまでは、医療や教育などの専門家の皆さんによる講演、質疑応答と懇親会という内容が多いのですが、今回は、子どもたち自身も楽しめるような企画はできないか、との思いで、ワークショップと専門家の皆さんの分科会の二本立てにしました。

初めての試みでしたが、ボランティアの方々にたくさんご協力をいただき、全体で200名を超える参加者となりました。

みなさんにとって、満足のいく時間となったかどうか、心もとないところもありますが、今回の成果と反省を次へと活かしていきたいと思います。

参加していただいたご家族から、このブログを読んでいます、とお声がけいただき、うれしくなりました。

ゆうは、CHARGE症候群の診断を得るまでのおよそ1年4ヶ月。
先天性多発奇形、というような診断名だったので、ゆうの特徴をインターネット検索に打ち込んでは、たくさんの厳しい情報にふれ、悶々とした日々でした。

そうした中で、多くの先輩家族が、いわゆる「闘病記」ではないものの、病気と向き合う日々をつづったブログに多く出会い、親としての心の持ち方、子や家族との関わり方など、いろいろ気づかされたことを思い出します。

私が、自らもブログを立ち上げることにしたのも、記事を読んでいただいた方々が、少しでも何か気づきのヒントになればいいなとの単純な考えからでした。
簡単に言えば、恩返しのような思いです。

CHARGE症候群の特徴は、ひとりひとり症状が違うこと、ゆっくりですが確実に発達していくこと、といった点にあります。
ゆうも、ひとりのチャージっ子であって、CHARGE症候群の患児全体像を示すものではありません。
ブログを書き留めていくことで、この疾患や難病を抱えた子の育ちを理解してくれる方々が増えていけばいいなあ、などと思いめぐらせています。

ゆう自身がこのブログを恥ずかしいと言うようになる日まで?いつまで更新を続けていくかは決めていませんが、これからもよろしくお願いします。

 

薦められ、家族で映画を観てきました。

ワンダー 君は太陽

http://wonder-movie.jp/

行動することで道が切り開かれていくさまを目の当たりにし、ゆうと私たちのこれからを考えさせられました。

泣けました。

 

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はじめての波乗り 2回目の版画

ろう学校も終業式を迎えて夏休み。
宿題は、「お手伝いをする!」

食事を終えて、皿洗いをするのが私のタスクなので、いつものように洗っていると、ゆうがダッシュしてきます。
何事かと身構えると、僕が洗うと主張。
踏み台を自分で持ってきて、ご覧の通り。

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落っことして割りそうで、私はひやひやしながら手を出してしまいました。

さて、いろいろな挑戦を重ねているゆうですが、今年ははじめて波乗りをしてきました。

毎月通っている葉山の教室。
夏と言えば海。というわけで、海で身を守る方法を遊びながら学びます。

oceanfamily.jp

 まずは、体の力を抜いて浮かぶ感覚を確かめます。 

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しかし、興奮のあまり体に力が入りまくり。
ライフジャケットを付けて、ぷかぷか浮かびます。

次は、ニッパーボードを使って波乗り体験。
うつぶせで波間を行ったり来たり。

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教室の子どもたちはボードに立とうと挑戦しているので、ゆうに立とう!と促すものの首を振るばかり。
持ち手を離さず抵抗するので、座らせるだけにとどめました。
新しい挑戦には慎重な性格のゆうですが、しだいにできるようになっているので、本人のやる気を待つことにします。

続いて、2回目の版画。

前回は浮世絵の版画でしたが、今回はかわいい絵です。
横須賀美術館まで出かけてきました。

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版画の先生は、彦坂木版工房のおふたり。

www.hicohan.com

夏らしく、かき氷とスイカを色を変えて摺ります。

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水をかけて、色をなじませやすくしています。

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色をのせて、はけで広げています。

最後に紙をはらりと乗せるのが簡単なようで難しい。
この黒色はスイカの種の版画なのですが、すこしズレてしまいました。

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できあがり!

いつ来ても気持ちいい美術館。
ありがとうございました!

はじめてのヨット

ゆうと一緒に、私も生まれてはじめての経験を重ねてきましたが、今回はヨット。

久しぶりに江ノ島へやってきました。
いつもならエスカーに乗って島の上をめざすのですが、今回はヨットハーバーへ。
これまで見てきた江ノ島とはまた違う光景が広がります。

今回はこちらに参加しました。

https://saeyoyaku.resv.jp/

ヨットの体験乗船ということで、海の上で過ごす40分×2回。
オーストラリア生まれのハンザという小さなヨットで、誰もが乗れるタイプだそう。
ヨットというと身を乗り出して操るイメージがありますが、このハンザは、2人で横向きに乗り込みます。
ちょうどアヒルのボートのような感じですが、ひとりがロープをたぐり、帆を操って、風を読み、ヨットを動かします。
体験乗船の私たちはその横で、海の上を風に乗ってゆらゆら揺られていました。

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これまで、ボディーボードやシーカヤック、カヌー、SUPといろんな方法で海に乗り出してきましたが、風だけの力で進むのははじめてで、風をうまくつかまえた時の海の上を滑るような感覚が新鮮でした。

帰ってきて、ゆうに感想を聞くと、まず2回乗ったヨットの色を指摘。
楽しかったと言うものの、2回目はちょっと飽きた、とぜいたくな感想も。

まあ率直な感想ですが、物怖じすることなく、サクサクヨットに乗り込む姿勢は頼もしくもあり。

2020東京オリンピックセーリング会場となる江ノ島は、これからその準備のため使えなくなる時期も増えるそう。このヨット体験は誰でも参加できますので、みなさんもぜひ!

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夏です!

3年目の田植え

今年も梅雨を迎え、ゆうは手話で「つゆ」を覚えたので、毎日「つゆだねえ」と言っています。

毎年出かけている田植え。
今回は神奈川の大磯農園の田植えに初めて参加してきました。

【2018年】お子さんと!ご家族で!田植え体験参加、今年も受付中です! | 大磯農園

ゆうは水着を着込み、私は半袖短パンで田んぼに入ります。

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毎年同じ事をしていると、ゆうの変化に気がつきます。
去年は、しぶしぶ田んぼに入ったけれど、うまくバランスがとれなくて、ずっと私にしがみついたまま。
苗をつまんで、田んぼに植えつける作業はほとんどできませんでした。
10分もすれば飽きてしまい、もうおしまい、と手話で主張し、丘にあがって遊んでいました。

今年も、田植えと聞いてもノリはよくもなく、すぐにおしまいと言われるかな、と思っていました。
ところが、ゆうは思いのほかがんばった。

田んぼに入ってすぐの作業は、苗をたくさんまとめて束ねる「ばくだん」づくりでしたが、苗を抜き取っては泥を洗い、私が受け取って苗を束ねていく。
文字通りの共同作業、役割分担ができていました。

その後は、いよいよ田植え。
去年だったら、もうおしまいと主張したでしょうが、今年は「まあしかたない」という雰囲気で田んぼの中に入っていきます。

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足や手が泥で汚れるのも嫌がっていた去年に比べると、今年は嘘のように汚れを気にせず、田植え作業を続けていました。
これも変化です。

30分ほどでしょうか。田植え作業を続けてさすがに一服。
畝から田んぼを見渡すと、そこには見たこともないほどのおたまじゃくしの大群が。

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ゆうは、おたまじゃくしは見たことがあるものの、ここまで多いとやはり気になる様子。
手ですくって、手のひらにおたまじゃくしをのせ、のぞき込みながら観察しています。
どちらかと言えば、動物とのふれあいが得意ではないように見えるゆうが、自ら積極的に生き物を手に取る姿が新鮮でした。

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と思い休憩すると、ゆうはもうこれでおしまい、とのこと。
お昼になっていたし、人も多いので田植えを続けなくても大丈夫だろうということで、今年はこれで終了。

新しい体験に連れて行くことで、本人の興味のありかを探ることもできますが、毎年同じことを繰り返すことで、これまでとの変化を実感することができるのもおもしろい、と感じた今年の田植えでした。

ところで、最近のゆうは、自ら考えたおふざけをたくさん繰り出してきます。
例えばこれ。

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大きな手ぬぐいを顔にまき、帽子をかぶってストライダーに。
まるでオリジナルのサンバイザーのようですが、手ぬぐいが萱素材なのでよく透けて周りが見えるようで、ストライダーを乗りこなしていました。
乗り気でなかったストライダーも、長い時間乗れるようになってきて、日々の変化が楽しく感じられます。
やらされている感が拭えなかったゆうも、上手に乗りこなせるようになると自信がついたのか、拒むことがなくなりました。
やはり、本人の気持ち、気づきが大切なようです。


続いて、勉強の一コマから。

〇「だちょう」「おっとせい」「からす」「ペンギン」
この中でひとつだけなかまはずれはなぁに?
答えは「おっとせい」
鳥でないから。

なんですが、ゆうと妻のやりとり。

妻「なかまはずれはなぁに?」
ゆう「からす」
妻「・・・なんで?」
ゆう「からすはとぶけど、ほかはとべない」
妻「・・・オッケー!」
確かに、だちょうもペンギンも飛びませんね。
なるほど、そういった整理もできます。
見所が違って、時々目からウロコが落ちています。

たまごひろい

今週、聾学校の遠足で動物園に行ったときのこと。

くじゃくがたまごを抱いているところを見たゆうが、「たまごをふんでる」と表現。
たまごからヒナがかえることはわかっているけど、「あれはあたためているんだよ」と伝えたら不思議な顔をしたらしい。


キラーンとした妻がリサーチ、探し当てたのがこちら。

たまご拾い公園、宮ヶ瀬コッコパーク

これまでもよく出かけている宮ヶ瀬湖の近くです。

たどり着いたのが、11時ごろ。
しかしパークには誰もいません。

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お休みしてるのかと帰りかけたところで、スタッフの方々が到着され、無事にパークに入ることができました。

中には、七面鳥からにわとりまで、たくさんの鳥がうごめいています。

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小屋に入っていって、たまごを拾います。

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小屋の入口では、にわとりがたくさんお出迎えしてくれるため、あまりの迫力に尻込みしますが、えさとなるパンを投げれば、鳥たちはそちらへ一目散。

ゆうのこれまでの傾向だと、鳥たちに圧倒され「小屋に入らない」と抵抗するかもなあ、と思っていました。
けれど、私も拍子抜けするほど小屋の中に突き進み、卵を採ってきてくれました。
逆に妻は「鳥だけは苦手やねん」とめずらしく消極的で、鶏小屋の外から写真を撮るのみ。

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ゆでたまごをいただき、びっくり!
たまごを包む薄皮がぶ厚い。そして、かみ切れない弾力!
表現しがたいのですが、スーパーで買う卵とは違い、ワイルドな味がしました(笑)

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最後に、小さなひなとご対面。
動物園では、お友達はにわとりを抱っこできたのに、ひとりだけできなかったゆう。
抱っこしてみたらと聞くのですが、やはり、イヤ、と一言。
頭をなでた後、おうちに返すよう手話で促していました。