おばあさんは黒髪
ろう学校の幼稚部で、劇発表会がありました。
ゆうのクラスは「シンデレラ」、王子の役でした。
ゆうよりはるかに体格のよいシンデレラとダンスをし、くるくるまわしている、というよりシンデレラが自分でまわっている(笑)姿が微笑ましかったです。
あとは、ゆうお得意の顔芸も。
しかめっ面にもバリエーションがあることがわかりました。
ろう学校に通っていると言っても、子どもにより聞こえはさまざま。
手話がメインの子もいれば、口話の子もいます。
ひとつ上の年長クラスは「ももたろう」。
ゆうの学年と違って、人数も多くにぎやかなのですが、それぞれの役とその子の個性とがぴったりはまり、ありのままに互いを尊重した演出でした。
ももたろうについて、ゆうと妻のやりとり。
ゆう「ももたろうのおじいさんの髪は白くて、おばあさんの髪は黒いの。」
妻「え?ふたりとも白いんじゃないの?」
ゆう「ちがう。おばあさんは若いから黒い髪。」
妻「……なんの話?」
ゆう「おじいさんの髪はちょっとしかなくて、白くて、おばあさんの髪はたくさんあって……」
妻「???」
実際、妻の父と母は年が離れていて、父の髪は白く、母の髪は黒いのです。
どうやらこのことが登場人物のイメージになっているらしいと後日判明。
こちらは先日、ろう者(聴覚障害者)らが参加する人形劇団、デフパペットシアターひとみの舞台に出演したゆう。
ワークショップにも、ろう学校のお友達と参加して、お気に入りの楽器を片手に、会場を練り歩きました。
今年も残すところあとわずか。
わが家は、お正月準備のイベントが続く予定です。
大人の正解
聴覚に障害があるこどもたちは、言葉のネットワークの広げ方に課題があると言われています。
例えば、「えんぴつ」という単語は知っていても、「消しゴム」「はさみ」と同じく、「文房具」という分類が難しいそうです。
というわけで、実験や検証が大好きな妻、登場。
聴覚障害のある幼児への問いかけ。
〇「コップ」「なべ」「おさら」「ごはんちゃわん」
この中でひとつだけなかまはずれはなぁに?
答えは「なべ」
コンロに載せる、料理をする、フタができる、理由はいろいろ考えられます。
そして、妻がゆうに問います、
妻「なかまはずれはなぁに?」
ゆう「おさら」
妻「・・・なんで?」
ゆう「おさらはたいら、ほかはふかい」
妻「・・・」
なるほど、そういった整理も可能ですね。
〇「バナナ」「りんご」「イチゴ」「たまねぎ」
この中でひとつだけなかまはずれはなぁに?
答えは「たまねぎ」
たまねぎは野菜、ほかは果物。これは一目瞭然!
同じように、
妻「なかまはずれはなぁに?」
ゆう「いちご」
妻「・・・なんで?」
ゆう「いちごはむかない、ほかはむいてたべる」
妻「・・・・・・」
なるほど!!
いちおう、妻が用意している「大人の正解」を解説したら、あぁそう、ふうんみたいな反応が返ってきたとのこと。
聾学校の先生に相談したところ、「それだけのはっきりした理由があれば正解です!素晴らしいです。」と言っていただきました。
視覚優位のゆうには、器の形や皮をむく、むかないが分類すべき項目になったのだと思われます。
が、しかし言葉のつながり、ネットワーク、ふだんはあまり意識しませんが、奥が深いですね。
こちらは妻の顔まねをする、盆栽くん
シイタケ狩り
秋だ-、キノコだー!というわけで、こちらのきのこ園までシイタケ狩りに出かけてきました。
こちらのブログに書いているさまざまなイベント。私にとっても初体験のものが多いです。
今回のシイタケ狩りも生まれて初めて。
どんなもんでしょうか?
案内されたのは、森の中に広がるシイタケのほだ木、たくさんの原木。
木に埋め込まれたところから、ニョキニョキとシイタケが出てきています。
お店で見るシイタケは、かさが開いているものはあまり見かけないように思いますが、かさが開いているものの方がおいしいんですよ、とのお店の方のお話を受け、かさが開いたシイタケを、柄の根元から外していきます。
これがなかなか硬い。
収穫したシイタケは重さを量ってお金を払います。
園に設けられたテーブルで、獲れたてのシイタケをいただくことができます。
七輪の網にのせ、炭火でじわりじわりと焼くうち、シイタケの裏のひだひだに、うっすら出てくる水滴が「旨み成分」とか。
実は私、シイタケは苦手なのですが、私が知っているシイタケとはまったく別物の味と歯ごたえで、めちゃくちゃおいしい!
ピザや炊き込みご飯、きのこ汁もおいしくいただいたのですが、ゆうはそれらに目もくれず、シイタケを食べ続けていました!
さて、最近ゆうがハマっているのが妻の顔マネ。
すごい形相。
妻は「あたしこんな鬼ババか~い!」と言ってますが、ゆうはちゃんと観察しているようです。
さすが(笑)
この世の小さいもの
秋深まる日々、いかがお過ごしでしょうか。
久しぶりの更新となりました。引き続きお付き合いください。
昨日は久しぶりに一家で週末を過ごしました。
雨の中、どやどやと真鶴へ。
漁港で、干物を作り、海の中のプランクトンを観察するというイベントです。
あいにくの雨、干物が乾かないということで、かますを二枚におろすことに。
漁協の方の指導のもと、私だけ(!)がせっせと10匹おろし続けました。
毎年、広島での釣りのあと、魚をおろす作業を見ていましたが、身にしみて大変さを感じました。腰も痛いです。
これからは、魚をおろせる人として、貢献したいと思います。
お昼は、近くの魚料理屋さんでお刺身や金目鯛の煮付けをいただき、午後からは顕微鏡で、港で採取した海水を観察しました。
花のようなプランクトン、ノクティルカシンテランス。
世の中の小さいものに心を留めれば、こんなに美しいものかとうっとり。
夢中になるあまり、ゆうはおそそうも。
そんなこともありますね。
「さかなはちいさいむしをたべておおきくなります。ゆうはアイスやパンをたべておおきくなります。」
ゆうの絵日記より
海と川や森、そして私たち人とどのようにつながっているかを感じた時間でした。
ありがとうございました!
大きな栗の木の下で
ゆうが通う聾学校の幼稚部では、季節に合わせて毎月の歌が決まっているそうです。
今月は「大きな栗の木の下で」。
小さい頃、私も歌いましたし、何となく今も振付を覚えています。
「帰り道に栗の木があって、ゆうにあれが歌に出てくる栗の木や!と言うねんけど、小さくてグッとこない。本当に大きな栗の木の下で、歌うのだ!」と妻が言い出し、見つけてきたのはこちらの観光農園。
完全予約制、朝10時半集合、さらに台風一過の栗拾い。
気合いを入れて出かけてきました。
生まれてはじめて、こんなに栗のイガが落ちているのを見ました。
ひとつのイガに1つ入っているのもあれば、3つ並んでいるものもあり、栗にも「筑波」や「国見」などいろんな品種があるようです。
素人には、見た目ではわかりませんが。
一般的に栗の木は虫に食われやすく、大きな栗の木はまれ。
こちらの農園でも樹齢20年ぐらいだそう。
柿などとは違い、毎年の収穫量にバラツキはないそうです。
小1時間、蚊と戦いながら、足でイガを開き、トングで栗をつまみ出しました。
拾い集めた栗は、水で洗っていただき、虫食いの穴がないかを簡単に見ていただいて重さを量ります。
我が家は、1.4キロほどの収穫でした。
台風一過で、真夏のような暑さでしたが、周りを見渡せば彼岸花が咲き、栗や柿、キウイが実り、すっかり秋のよそおいですね。
来月は体育祭。
滝行
私は今年厄年、そして今月誕生日を迎えます。
「厄年やし、今年は特別な誕生日プレゼントや!」と、妻に案内されたのがこちら。
「良妻が代わりに厄払い!」とのこと。
他にも参加者があり、住職から修行に向けての説明、勤行を受けた後、白い胴衣に着替えていざ滝へ。
私はゆうをおんぶし、沢を登って、滝つぼに向かいます。
ゆうとふたり、滝壺の間近で滝行を見ました。
前日の雨で水量が多いこともあり、声を出していないと息ができないほどだそう。
妻曰くストイックな体験だったとのこと。
ゆうと私は、目の前で滝に打たれるさまを見て、ただただ無事を祈るばかり。
滝に打たれ、少しは角がとれて丸くなるかと期待していましたが、むしろ心身ともにビルドアップしたようです。
来年に控えているゆうの心臓の根治オペが無事に終わることを、一家で祈願してきました。
私も、いつかは褌をしめて滝行したいと思います。
ステキなプレゼントをありがとうございました。
こちらは、アイスモリモリ食べてごきげんなゆう。
4歳の夏休み
8月は、ブログの更新が追いつかないほど、詰め込まれたプログラムで、週末は疲れ果てていました。
このブログは、同じような疾患を抱えたこどもを育てる方、私たちを日々支えてくれている友人へ書いていますが、なによりも、ゆうをいつも大切に思ってくれている、じいじばあばに向けた感謝のメッセージでもあります。
ゆうが生後まもなく緊急搬送され、手術を受け、突然宣告された病気や障害の数々。
どんな風に育っていくのか?
また私たち夫婦がどのように育てていくのか?
寄り添いながらも、不安に感じていただろうと想像します。
できることできないことは凸凹ですが、毎日できることが少しずつ増えていく、ゆっくりではあるけれど進んでいく、そんな日々を過ごしています。
4歳になったゆうの夏休みも、盛りだくさん。
こんなたくさんのことを体験したよ。
ゆうの中で何かがはじけることを願って。
この夏のいろいろな表情です。
〇親子料理教室
〇トリックアート展
〇舞台を見ました。
コンドルズ藤田さん、Coppelia Circusさんと☆
〇聴覚障害児のなかまと海でバーベキュー、スイカ割り
〇音楽ワークショップ
夏休みはあっという間に過ぎていき、今週から、ろう学校が始まります。
妻に言い渡された9月の行事をスケジュール帳に写していますが、
やっぱりハード(笑)